オスプレイってどんな飛行機?

まずどんなものなのか知っておきたい

「オスプレイ」と聞いて、どんな印象をお持ちになるでしょうか?
真っ先に、米軍所有の機体が墜落したニュースを思い浮かべる方も多いはずです。
まだオスプレイについての知識・情報が広く共有される前に、「オスプレイ=危険」というイメージが先行してしまっている面があるようです。

はっきり言ってしまえば「嫌われている」わけですが、その一方日本の自衛隊にも配備されることになっており、今後より身近な存在になっていくことが予想されます。
そうなると単に「危ない」「嫌い」だけでなく、もう少し具体的にどんな機体なのか、何のために導入・配備されるのかも知っておく必要がありそうです。

どんな機体?

オスプレイは、実際の機体を写真で見ればすぐにわかりますが、ヘリコプターと飛行機を融合させたような姿をしています。
一見するとかなりゴツい印象を受けるのですが、ウイングの先端の部分にヘリコプターと同じローター(回転翼)がついており、この固定されたウイングとプロペラの両方で飛行する形をとっています。
見た目は決してスタイリッシュとは言えないこともあって「プロペラをつける意味があるのか?」と疑問に感じてしまう面もあるのですが、実際にこのプロペラが重要な役割を担っています。

じつはこのプロペラ、角度を調整することができるため、どんな角度に設定するかによって飛行状態にさまざまな影響を及ぼすことができます。
例えば通常飛行の場合はプロペラを前面に倒す形、つまり昔のプロペラつきの飛行機のような姿になることで、スピードを上げて飛行することができます。
一方、プロペラを少し斜めに持ち上げるような角度に設定することで、離陸した後に加速しやすくなるほか着陸前の減速をスムーズに行うことができます。

さらに、プロペラをヘリコプターのようにほぼ垂直の状態に立てることでホバリングができるようになります。
狭い場所でも離着陸ができるのも魅力です。
ほかにも、空中での給油ができる、ヘリコプターよりも早く(約2倍)飛行機力が長い(約4倍)、荷物の積載量に優れているといったメリットも備えています。

何が問題なのか?

こうして見るといかにも安全性が高い印象を受けますし、実際オスプレイはヘリコプターよりも安全と言われています。
ではどうして墜落事故が多発しているのかというと、その理由は「構造が複雑で操縦が難しい」点にあります。

つまり機体の問題ではなく、操縦者の経験やスキルの問題で事故が起こりやすいのです。
重く大きい機体なのでバランスをとるのが難しく不安定になってしまう、あるいは配線ミスによるトラブル、オイル漏れで火災が発生するといった事故も起こっています。
とくに先述したプロペラを動かす時の空気抵抗や重心のバランスの変化にうまく適応できず、不安定な状態になってしまうことが多いようです。

現時点では、はっきり言って事故率が高い機体です。
ただ、操縦者が経験を重ねてスキルを向上させていけば改善も期待できるでしょう。
最終的な評価は、もう少し待ってからにした方が良いかも知れません。