自動運転「レベル4」が解禁間近
2023年4月に解禁される「レベル4」とは
2022年4月に改正された道路交通法が2023年4月に施行されることを受けて、自動運転のレベル4がついに解禁つまり実用化となります。
すでに導入済のレベル3は「一定の条件を満たす区間内に限り自動運転が可能」というものです。
ただし、条件を満たさなくなった時には即座にマニュアル運転へ切り替える必要があるため、自動運転中でも車両内にはドライバーがいなければなりません。
一方、自動運転のレベル4ではレベル3と同様に一定の条件を満たす区間での走行がベースとなっているものの、基本的にドライバーが乗車していないという前提になっており、走行中に条件を満たさなくなった場合も自動運転システムが安全な場所に停車させることになります。
レベル4の広範囲導入を目指した実証実験も継続中
レベル4の実証実験はさまざまなエリアで行われています。
その1つが「路線バス」で、茨城県や滋賀県のバス会社と連携し、4kmから8km前後の距離をモニタリングしつつ完全自動運転で運行しています。
車内には現役のバス運転手が乗車しており、毎回のテスト後にはブレーキのタイミングや停留所での停車位置、右左折時の巻き込みリスクなどをチェックしています。
「高速道路のトラック」も実証実験の1つです。
3台のトラックで縦列になり、スムーズな合流や路線変更、さらにはSAおよびPAへの停車ができるかといった点を検証しており、すでに総走行距離数は40,000kmを超えています。
実証実験が行われているもう1つの分野は「施設内の巡航バス」です。
これは愛知県の中部国際空港およびモリコロパーク、神奈川県の湘南アイパークなどで実施されており、循環バスとして安全に乗客の乗り降りができるのか、エリア内の歩行者と接触せずに運行できるかといった点が検証されています。
実証実験の現状はどうなっている?
レベル4の実証実験によって、いろいろな課題が浮き彫りになってきています。
例えば路線バスの自動運転に関しては、運行をサポートする磁気マーカーの読み取りエラーや、天候の変化によるセンサーの機能低下などが問題点として抽出されました。
また、データ通信を行うインフラの整備なども引き続き大きな課題です。
一方、高速道路におけるトラックの自動運転では、車線の増減による車線変更時のエラーやSA内での安全走行などが課題となっています。
完全自動運転に関しては、他の車両だけでなく歩行者の動きを的確に感知して安全に対応できるよう、センサーおよび制御システムの精度向上が求められています。
インフラのさらなる普及と併せて実際の車道で実証実験を繰り返すことにより、こうした課題は少しずつ解決されていくことでしょう。