電動キックボードが免許不要に
電動キックボードの規制が大幅に緩和されます
これまで電動キックボードを公道で利用する場合には、原付以上の免許が必要でした。
通常のキックボードとは違い、「免許を持っていないと使えない、もちろん使う時には免許を携帯しなければならない」のが大前提だったのです。
そもそも電動キックボードは、従来のキックボードに電動式のモーターを装着した形で使用されます。
このモーターの力でスピードを出すこともできますし、体力を使うことなく比較的長距離を移動するの使うこともできるのです。
ただ従来のルールでは、こうしたモーターを装着している点を考慮したうえで原付と自転車に相当する乗り物として扱われていました。
ですから、原付以上の運転免許が必須だったわけです。
原付自動車と同じ扱いですから歩道を走ることはできませんし、走行の際には必ずヘルメットの着用が義務付けられていました。
さらにもうひとつ、万一の事故の時に備えて自動車損害賠償責任保険(または自動車損害賠償責任共済)に加入していることも必須条件でした。
ところが2021年12月に、この電動キックボードの規制が緩和される見込みであるとの見込みがニュースに流れました。
これによって、これまでよりもずっと電動キックボード導入のハードルが低くなり、多くの人が利用できる環境になる見込みです。
どんな点が改正されるのか?
最大のポイントは、これまでの原付自転車との扱いから「小型特殊自転車」という扱いになることで、これによって原付以上の免許が必要なくなる見通しです。
なおこの点に関しては条件が設けられるらしく、「時速20キロ以下で走る」と「16歳以上」での利用において免許が不要になるようです。
ですから、免許が原則として不要になったとしても、15歳以下の方は公道で使用することができなくなるわけです。
ヘルメットの着用については、「強く推奨する」としつつも義務ではなくなるようです。
さらにもうひとつ、時速6キロまでの速度で、その速度を表示・証明できる機能がついている場合には歩道を走ることも可能になるとされています。
改正がもたらす不安点は?
この改正のニュースに関しては、かなり冷ややかな見方や反対意見が多く見られます。
理由はシンプルで、「タダでさえ危険走行をする人間が多いのに、緩和したらますます事故が増える恐れがある」というものです。
東京都内では、2021年11月までの段階で60件の事故が起こったとのデータもあります。
改正前でも歩道で走っている人も見られる状況下で、改正によってそれが「お墨付き」を得てしまうような形になることで、これまで以上に傍若無人な運転をする人が増えるのでは、と懸念の声が上がっているのです。
ただ一方で、規制が緩和されるとともに取締が強化されるのでは、との意見も見られます。
まだ具体的な改正の時期は明らかになっていませんが、日頃使用している人はもちろん、そうでない人も今後のなりゆきを注視したいところです。