タクシーに定期券・回数券が導入

タクシーに定期券・回数券が導入される

ニュースや新聞で、ご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、これまでのタクシーのサービスに新たなアテンドメニューが追加されることをご存じでしょうか。
これは2020年11月、国土交通相の会見で、新制度の導入が発表されたことによるものです。
新たに導入されるのは、一括定額運賃と変動迎車料金といった料金形態となります。

何が新しくなったかといえば、これまでタクシー業界で、一律にサービス提供されていた距離制運賃と時間制運賃、そして定額運賃といった料金形態に、新たに一括定額運賃と変動迎車料金が追加されるからです。
この新たなサービスの導入により、タクシー業界も、定期券・回数券が導入される下地ができたということになります。

一括定額運賃とは

本来タクシーは、旅客サービス業とされるもので、距離制運賃と時間制運賃、また特殊な例として定額運賃での料金形態でサービスを提供してきました。
距離制運賃は、初乗運賃と加算運賃を定め、旅客の乗車地点から降車地点までの実車走行距離に応じた料金制度で、初乗運賃と加算運賃を定め、旅客の指定した場所に到着したときから、旅客の運送を終了するまでの実拘束時間に応じた料金形態が時間制運賃です。

新たなサービスとして、導入される一括定額運賃は、具体的にはタクシーの複数回分の利用運賃を、一括して支払う制度のことです。
同じ区間を複数回利用できるため、定期券や回数券と同様に、通勤や病院への通院などに継続利用できるうえ、これまでのタクシー以上に格安で利用できることになります。

変動迎車料金とは

変動迎車料金とは、タクシー需要の増減に応じて、迎車料金を変動させるといった、ちょっと特殊な料金形態となります。
つまり、需要の増減に応じて、迎車料金を変動させるサービスですが、いまいち分かりづらいというのが一般の方の感想なのではないでしょうか。

具体的には、タクシーの利用者が少ない時間帯には料金を安くし、逆に利用者が多い時間帯には料金を高く設定するというものです。
こう聞くと、料金の高い時間帯の利用者にとって、何やらボラれる気分になりますが、安い料金と高い料金をトータルで、固定迎車料金と変わらないよう変動させることが条件となっていますのでご安心ください。

新しいサービスの恩恵

これまでタクシー業界では、ある意味タブーとされてきた新料金体制ですが、新たな料金体制が導入されることにより、私たち利用者の立場ではかなり恩恵を受けることができます。
例えば、一括定額運賃は、国土交通省では定期券・回数券のようなものと説明されています。

例えば、通勤や病院を利用する際、区間料金が500円だった場合、10回分を一括で購入することにより、割引きを受けられるといったメリットがあります。
また、区間のり放題といった、フリーパスサービスも行われる可能性もあり、観光旅行などで便利に利用できることが考えられます。
ただし、具体的なサービスの内容は、事業者によって異なる可能性がありますので、今後の展開を見ていかなければなりません。